太陽全放射量
The Solar Irradiance
太陽全放射量は、太陽から放射される全波長の電磁波のエネルギー総量である。太陽全放射量は、太陽活動
が最も活発なとき最大となる。これは2つの競合する過程の結果である。
太陽黒点上では放射は遮られ、総放射量を下げる効果をもたらす。しかし、他の磁場領域に出現する白斑と
呼ばれる部分が、それを補って余りある過剰な放射をしている。合計すると、結局は、太陽活動の最盛期に太
陽全放射量が最大となる。
われわれが太陽から受け取っているエネルギーは、生命にとっても地球上の気象にとっても、最も重要な要
素である。しかしながら、 一番最近の太陽周期を通じて観測された太陽総放射量の変動幅は、地球の気候にい
かなる影響をも与えないと思われる程度にわずかであった。その一方、ずっと長期間にわたる太陽全放射量の
変動は、気候変動に重要な役割を果たしている。
ここで使用されているデータは、さまざまな宇宙探査機による太陽全放射量の観測をもとにした、1日ごとの
平均値である。より正確には、PMOD/WRC(スイス、Davos)から得られるデータのうちのバージョン
d25_07_0310aと、ESA/NASA協力ミッションであるSoHOが実施したVIRGOエクスペリメントからの未発
表データとを使用している。詳細については、C.Frohlich and J. Lean,
1998, "The Suns Total Irradiance:
Cycles, Trends and Related Climate Change Uncertainties since
1978", Geophys.Res.Let., 25, pp. 4377-
4380, 1998を参照のこと。
可視化
内側の円の大きさおよび色が、総放射量と対応する。これらは、1つの測定値から次の測定値へと、順次変化
しながら表示される。補間値は内側の円の周りの細い線として見出すことができる。外側の円の色は、次の測
定値に移るときに切り替わる。
可聴化
太陽全放射量の観測値がセロとバイオリンの音を変化させる。放射量が大きくなればなるほど、弦楽器本来の
サウンドからの変化が大きくなる。
和訳: Michi Kucharek
(クハレク 未知)
Proof reading: 武藤 直美
監修: 沼田 寛
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